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2024/01/17 17:16



2021.11.17

Teimo モデル。京都在住。
日本人の母と、フランス人の父を持つハーフ。
フランス生まれ京都育ち。

 

joscille skin&mind
“joscille”という名前は、いったいどこから来たのか?その意味は、フランス語の“j’oscille”に由来する。
直訳すると、je【私】が、osciller 【ある地点とある地点を行ったり来たりする、往復する、揺れ動く】という意味だ。スキンケアのブランドとしては少し変わった名前だと思うかもしれないが、そんなことはない。

直訳だけではすこしわかりづらいので、ファッション界の異端児であった、“Alexander McQueen”の言葉を引用しようと思う。

“J’oscille entre la vie et la mort, le bonheur et la tristesse, le bien et le mal.”(私はつねに生と死、幸福と悲しみ、善と悪の間を揺れ動いている).

つまり、“j’oscille”とは、ある二つの場所を行ったり来たりする、往復している状態を表す言葉だ。半分フランス人であるぼくが、日常でこの言葉を使うことはめったにない。なぜなら、この言葉は少し詩的で哲学的だ。人生を歌った、おしゃれなフレンチミュージックで聞いたことならあるが、家族の口から聞いたことはない。

だが、ぼくはこの“joscille”という名前が、とても好きだ。ジョシーユという音の響きもいいが、言葉のもつ意味自体が、詩的で深みがある。“joscille”は、ロウソクの炎のように、ゆらゆらと揺れ動いている、ひとの在り方をイメージさせる。行ったり来たり。良かったり悪かったり。ごきげんでいい日もあれば、悲しくてわるい日もある。こうして日々、揺らいでいるのが人間ではないか?この『揺らぎ』の一つ一つが、あなた自身の“joscille”なのかもしれない。人の肌も、つねに揺らいでいる。あなたの喜びや、ストレス、出来事や、環境の変化によって変わる。あなた自身の揺らぎが、肌の揺らぎにつながるのだ。

忙しい日々を送っていると、肌のケアを少し手を抜いてしまうかもしれない。寝るのが遅くなってしまったり、食生活が乱れたり。そういったのも肌は全部反映してしまう。ぼくも仕事で寝るのが遅くなると、翌日は目の下がくすんで、肌も乾燥してしまう。肌の調子が悪ければ、それだけで気持ちも沈んでしまう。逆に肌の調子が良い日は、それだけで幸せな気持ちになるし、自信もつく。肌の調子ひとつで、その日の気分が変わってしまうのだから不思議だ。

忙しいなかでも、肌をいたわってあげよう。人一人ひとりが個性的で違うように、肌もみんな違う。肌が丈夫な人もいれば、敏感な人もいる。ぼくはどちらかといえば、後者にあたる。あらゆる刺激に反応するし、ストレスや食生活もすべて反映してしまう。あまりめぐまれた体質とは言えないが、それがぼくであり、ぼくの肌だ。日々の気遣いが、ぼくにできることであり、ぼくの幸せにつながる。

肌につけるものは、とことんシンプルにしている。温泉水のミストに、シンプルな成分の保湿。もちろん肌着もできるだけ、天然素材で作られたものをまとう。竹の素材も、最近は好んで身に着ける。乾燥機にかけても、柔らかさがつづく不思議な材質だ。

そして、最近お気に入りの、“joscille skin&mind”の猫石鹸で、体の汚れをおとす。香りがよく、天然素材のみで作られているから、僕でも安心して使える。そして、タオルは同じくjoscille skin&mindのタケフ製の竹の繊維のタオルで、とても繊細な天然繊維で角が丸いらしく、肌にやさしくて擦れる感じがない。

毎朝食べるフルーツサラダも、大切な日課のひとつだ。フランスの実家に帰ると毎朝でてくるのだが、日本でもこれはやめられない。ビタミンが不足すると、肌のいろはくすんでくる。これはあくまでぼくの習慣だが、みんなそれぞれ、その人の肌に合ったいたわり方があると思う。こうして日々肌にいいことを考え、いたわることで、あなた自身をいたわってあげよう。肌と心は、つながっているのだから。

最近少しずつ寒くなるとともに、紅葉の葉も色づき、山山が日々表情を変える京都。美しさを増す景色とは裏腹に、厳しい冬の到来を感じさせる。




ぼくが生まれたフランスの町 Lille(リール)は、フランスでも最北近くに位置し、ベルギーとの国境沿いにある街だ。自宅から車で20分も行くと、国境の検問にたどり着く。

世界最大の蚤の市“La Braderie de Lille”が毎年9月に行われるので、アンティークや骨董好きの方であれば、一度は耳にしたことがあるかもしれないが、気候は最悪で、いつも曇っているか、雨が降っている。(もちろん冬には雪も。)寒さが厳しく、めったに晴れないような場所であるが、Lille のひとびとは心に太陽を宿しているという。その分、人の心は暖かい街なのだ。

町には Friterie(フリットリー)という、Frites(フリット。フレンチフライのこと。)を売る屋台が、たくさんある。日本人にはあまりなじみがないかもしれないが、Friterieは、北フランスでは至る所にある。たっぷりの揚げたてフレンチフライを、これでもかと紙袋いっぱいに入れて販売しているの。日本のフレンチフライと違い、牛脂を使い揚げている店がほとんどだ。コクがあり、一度食べれば病みつきになる味だが、スリムな日本人には、なかなか手が出しづらい。



そして毎週末には、ベルギーまで行き大量のチョコレートを買い込む。あまり知られていないが、フランス人はワインやチーズと同じくらい、毎日チョコを食べている。その消費量は一人当たり年間7.3キロにもあたり(日本は2.3キロ)、一週間で2,3枚のタブレットチョコーレートを食べていることになる。毎晩食後にはチーズの時間と、カフェ&ショコラの時間があるのだ。

これはあくまでぼくの主観かもしれないが、ヨーロッパでは日本よりも安く、上質なチョコレートが買える気がする。日本では500円するリンツのタブレットも、フランスのスーパーでは100円台から手に入る。こんな風に安くおいしいチョコレートが手に入るのも、フランス人がチョコを愛する理由のひとつかもしれない。




やはり故郷というのはいいものだ。暖かい思い出にあふれ、着飾らない本来の自分でいれる。ぼくは人一倍過去にとらわれて生活をしている。思い出はすべてとても大切で、慈しむものだと考えている。

前にすすむことが美化されているここ日本だが、立ちどまって自分のオリジン(起源)と向き合う時間がとても大切だ。むずかしいことではない。ただ故郷の文化や食生活、人びとと触れ合うだけでも、自分の起源を見つめることができる。自分がどんな場所で、どんな文化にかこまれ、何を食べ、どんな人びとと触れ合っていたか。それがわかれば、あなたのアイデンティティはより明確なものになる。



そうやって過去を振り返るのは、ぼくにとってなにより大切な時間だ。幸せな過去だけじゃなく、つらい胸の痛みも思い出すかもしれない。けれど、そういったものすべてを見つめることが、よりたしかな一歩を前に進めるには必要なのだとおもう。自分のアイデンティティがわかれば、自分の生き方や、これからの歩み方にも、説得力が生まれるのではないか。

これから訪れる寒い冬。体調も崩れやすく、乾燥によって肌も弱りやすくなる。そんな季節だからこそ、体にはできるだけ優しく接したい。その人の身につけるものが、体に入れるものが、体に触れるもが、すべて好きであること。こだわって選んだ、お気に入りに囲まれて、生活すること。心を温める、魔法のスパイス。そんなことを思いながら、暖かい毛布にくるまって、大好きなアロマキャンドルの炎の“揺らぎ”を見つめるているぼくは、幸福な気もちで眠りの世界にいざなわれていく。夢と現実に身を任せ、ぼくは joscille している。