6歳の景色
下道 千晶 / モデル・俳優

2023.1.6
 

 

下道 千晶 モデル・俳優。
2015年に、房総半島へ移住。
自然に寄り添う暮らし方を実践中。
また、天然藍を使った染め直しの活動
「meets BLUE project」を始め、
活動を通して持続可能な
ライフスタイルを提案している。
 
  
息子は、ピアノを習っています。
週に一回、土曜日の朝、家から少し離れた場所
まで、車で送ります。
息子がピアノを習っている30分、私は近くの
コーヒーショップでコーヒー豆を買うのが習慣
です。そのコーヒーショップは大きな屋根と木
の柱が特徴的で、お店の前には小さな水車があ
ります。壁一面に大きな瓶に詰められたコーヒ
ー豆が並んでいて、様々な産地、ブレンド、味
や香りの特徴を丁寧に紹介している札がついて
います。
いつもその豆たちを眺めながら札をじっくり読
み、どれにしようか悩むのが私のささやかな楽
しい時間です。いつものコーヒー豆200gと、
チャレンジしてみる100g。それが定番の組み
合わせになっています。
わが家は、豆はコーヒーを淹れるときに自宅で
挽くので、お店では挽いてもらわずに豆のまま
袋に入れてもらいます。ここではシンプルな茶
色い紙袋に入れてくれます。ぴっちり閉じて、
テープで留めてくれるので、紙袋がピチピチ、
パンパンで、ころころしていて、なんだかとっ
ても大切なかたまりに感じるのです。
 

息子がレッスンを終える頃、買ったばかりの豆
と一緒に教室に向かいます。
車の中がコーヒーの香りでいっぱいになり、う
っとりしてしまいます。
レッスンの終わる少し前に駐車場に着くと、か
すかにピアノの音が聞こえてきます。
ポーン、ポロポロ…
つたなくて、愛おしい音です。
車内のコーヒーの香りと、かすかに聞こえる息
子のピアノ。週に一回の至福の5分間です。

 

永遠にこの時間が続くといいのに…、なんて思
っていると、
「ありがとうございましたぁ!」と教室から飛
び出してくる6歳児。
さっきまでの静けさはどこへ…?
車から出て、先生と今日のレッスンはどうだっ
たか少しおしゃべりをします。
息子のピアノの先生は、声楽やリトミック、そ
して教育も勉強されていて、音楽を全身で楽し
むことを教えてくださいます。
大手音楽教室に比べると進度が遅いなんて声も
あるようですが、息子にはまずは「楽しい」
「好き」を大切にしてほしいので、「できる」
「できない」はあまり気にしてはいません。

 

こんなふうに、親も息子ものんびりしているか
らか、練習も毎日はしていなくて、気が向いた
らする、時間があったらする、といった具合で
すが、この年末年始はお休みも長かったので、
いつもより練習していた気がします。
今は「きらきらぼし」を練習しています。聴い
ていて危なっかしくなるくらい一生懸命に鍵盤
をたたいていたので、試しに「今度はお星様が
きらきら~ってして、それを見て綺麗だな~っ
て気持ちで弾いてみて」と言ってみたら「わか
った!それってオレはどこにいるの?」と聞く
ので「どこでもいいよ、きみの居たいところ
で」と言ったら「そっか」と言ってピアノに向
かいました。
すると先ほどとは違って優しいタッチで、ゆっ
たりとした弾き方に変わったので、「わぁ、お
母さん今のきらきらぼしすっごく好きだった
よ!どうやって弾いたの?」と聞くと「えっと
ね、オレの胸の中がキラキラでいっぱいになっ
て、ふわ~んって感じだよ」と教えてくれまし
た。
うわぁ、なにその世界。素敵。すごい。私もや
りたい。
 
 
今回は音楽を通してだったけれど、息子の空想
の話、もしもの話、彼からみた世界への疑問。
そのひとつひとつから、私はいつも気づきをも
らっています。
表現やお芝居の仕事で、「胸がきらきらでいっ
ぱいになって、ふわ~んって感じ」やれるよう
になりたいな。仕事だから一生懸命にやること
も大事だし、上手にやることも大事なんだけ
ど、そのことで頭がいっぱいになるよりも先
に、作品から生まれる感情で胸をいっぱいにし
たい。そしてその純度を出来るかぎり保ったま
ま、外に出せるようになるといい。
そういうことだけに集中できたら、どんなに素
敵なんだろう。
でもそれが難しいこともある。大人になった私
は知っている。けれど、例えば目の前の理不尽
や厳しさに、萎縮したり心を閉ざしてしまいそ
うになったときには、息子の「キラキラ、ふわ
~ん」を思い出して、もう一度勇気を持とう。
勇気を持って、向き合い続けよう。
 
  
それでもやっぱり傷ついて、自分自身を信じら
れなくなったときには、自分を取り戻す時間を
たっぷりと取ろう。
例えばジョシーユ スキン&マインドのオイル
のギフトセットを自分にプレゼント。
たくさんの植物の恵みをこの1本に集めたオー
ガニック植物配合のトータルケアオイルと、鮮
度の高い原料をていねいに精製した熊本産の生
馬油のセットです。





トータルケアオイルはレモン・グレープフルー
ツなど柑橘系の後から甘く可憐な花の香りが追
いかけてきます。オイルなのにサラサラとして
いるから、肌にすっと馴染み、フェミニンケア
もできるので、デイリー使いがオススメのオイ
ルです。
こっくりリッチな質感の生馬油は、オイル初心
者の私はスペシャルケアに。スポイトから吸い
上げて2,3滴ずつ手に取り身体にぬったら、優
しい何かに包まれ、守られているような感覚に
なります。夜のボディケアで、翌朝までしっと
りとしたお肌を保ってくれるのが嬉しいです。
 
 

そうやって、質のいいオイルを使ったり、お気
に入りのコーヒーを豆から挽いたりしながら、
いつもより時間をかけて自分を眺めてみます。
眺めながら、大人になったつもりで着込んでい
たものをひとつひとつほどいてみたら、そこに
いるのは、今の息子と同じ、6歳の頃の自分で
す。大人になるために置いてきてしまったと思
っていたけれど、ずっとここにいたのね。その
ことが恥ずかしいやら、嬉しいやら。
息子が一生懸命に鍵盤をたたくように、一生懸
命にしてきたことは、これまでの私を助けてき
たけれど、これからは仕事でももっと、楽しい
ほうへ、わくわくするほうへ、綺麗な景色が見
えるほうへ。
6歳の自分に見せたいと思う景色を、作ってい
けたらいいなと思ったのでした。

 

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