L’histoire de joscille
ジョシーユのおはなし
Teimo / モデル

2021.11.17

Teimo モデル。京都在住。
日本人の母と、フランス人の
父を持つハーフ。
フランス生まれ京都育ち。

 

joscille skin&mind
“joscille”という名前は、いったいどこから
来たのか?その意味は、フランス語の
“j’oscille”に由来する。
直訳すると、je【私】が、osciller 【ある
地点とある地点を行ったり来たりする、
往復する、揺れ動く】という意味だ。
スキンケアのブランドとしては少し
変わった名前だと思うかもしれないが、
そんなことはない。

 

直訳だけではすこしわかりづらいので、
ファッション界の異端児であった、
“Alexander McQueen”の言葉を引用
しようと思う。

 

“J’oscille entre la vie et la mort, le bonheur
et la tristesse, le bien et le mal.”(私はつね
に生と死、幸福と悲しみ、善と悪の間を
揺れ動いている).

 

つまり、“j’oscille”とは、ある二つの場所を
行ったり来たりする、往復している状態を
表す言葉だ。半分フランス人である
ぼくが、日常でこの言葉を使うことは
めったにない。なぜなら、この言葉は
少し詩的で哲学的だ。人生を歌った、
おしゃれなフレンチミュージックで
聞いたことならあるが、家族の口から
聞いたことはない。

 

だが、ぼくはこの“joscille”という名前が、
とても好きだ。ジョシーユという音の
響きもいいが、言葉のもつ意味自体が、
詩的で深みがある。“joscille”は、
ロウソクの炎のように、ゆらゆらと
揺れ動いている、ひとの在り方を
イメージさせる。行ったり来たり。
良かったり悪かったり。ごきげんでいい
日もあれば、悲しくてわるい日もある。
こうして日々、揺らいでいるのが人間では
ないか?この『揺らぎ』の一つ一つが、
あなた自身の“joscille”なのかもしれない。
人の肌も、つねに揺らいでいる。あなたの
喜びや、ストレス、出来事や、環境の
変化によって変わる。あなた自身の
揺らぎが、肌の揺らぎにつながるのだ。

 

忙しい日々を送っていると、肌のケアを
少し手を抜いてしまうかもしれない。
寝るのが遅くなってしまったり、食生活
が乱れたり。そういったのも肌は全部
反映してしまう。ぼくも仕事で寝るのが
遅くなると、翌日は目の下がくすんで、
肌も乾燥してしまう。肌の調子が
悪ければ、それだけで気持ちも沈んで
しまう。逆に肌の調子が良い日は、
それだけで幸せな気持ちになるし、
自信もつく。肌の調子ひとつで、
その日の気分が変わってしまうのだから
不思議だ。

 

忙しいなかでも、肌をいたわってあげ
よう。人一人ひとりが個性的で違うよう
に、肌もみんな違う。肌が丈夫な人も
いれば、敏感な人もいる。ぼくはどちらか
といえば、後者にあたる。あらゆる刺激に
反応するし、ストレスや食生活もすべて
反映してしまう。あまりめぐまれた体質
とは言えないが、それがぼくであり、
ぼくの肌だ。日々の気遣いが、
ぼくにできることであり、
ぼくの幸せにつながる。

 

肌につけるものは、とことんシンプルに
している。温泉水のミストに、シンプルな
成分の保湿。もちろん肌着もできるだけ、
天然素材で作られたものをまとう。
竹の素材も、最近は好んで身に着ける。
乾燥機にかけても、柔らかさがつづく
不思議な材質だ。

 

そして、最近お気に入りの、
“joscille skin&mind”の猫石鹸で、体の
汚れをおとす。香りがよく、天然素材
のみで作られているから、僕でも安心して
使える。そして、タオルは同じく
joscille skin&mindのタケフ製の竹の
繊維のタオルで、とても繊細な天然
繊維で角が丸いらしく、肌にやさしくて
擦れる感じがない。

 

毎朝食べるフルーツサラダも、大切な
日課のひとつだ。フランスの実家に
帰ると毎朝でてくるのだが、日本でも
これはやめられない。ビタミンが不足
すると、肌のいろはくすんでくる。
これはあくまでぼくの習慣だが、みんな
それぞれ、その人の肌に合ったいたわり
方があると思う。こうして日々肌に
いいことを考え、いたわることで、
あなた自身をいたわってあげよう。
肌と心は、つながっているのだから。

 

最近少しずつ寒くなるとともに、紅葉の葉
も色づき、山山が日々表情を変える京都。
美しさを増す景色とは裏腹に、厳しい冬の
到来を感じさせる。
ぼくが生まれたフランスの町 Lille
(リール)は、フランスでも最北近くに
位置し、ベルギーとの国境沿いにある
街だ。自宅から車で20分も行くと、
国境の検問にたどり着く。

 

世界最大の蚤の市“La Braderie de Lille”
が毎年9月に行われるので、アンティーク
や骨董好きの方であれば、一度は耳にした
ことがあるかもしれないが、気候は最悪
で、いつも曇っているか、雨が降って
いる。(もちろん冬には雪も。)寒さが
厳しく、めったに晴れないような場所で
あるが、Lille のひとびとは心に太陽を
宿しているという。その分、人の心は
暖かい街なのだ。

 

町には Friterie(フリットリー)という、
Frites(フリット。フレンチフライのこと。)
を売る屋台が、たくさんある。日本人には
あまりなじみがないかもしれないが、
Friterieは、北フランスでは至る所にある。
たっぷりの揚げたてフレンチフライを、
これでもかと紙袋いっぱいに入れて販売
しているの。日本のフレンチフライと
違い、牛脂を使い揚げている店が
ほとんどだ。コクがあり、一度食べ
れば病みつきになる味だが、スリム
な日本人には、なかなか手が
出しづらい。

そして毎週末には、ベルギーまで行き大量
のチョコレートを買い込む。あまり知られ
ていないが、フランス人はワインやチーズ
と同じくらい、毎日チョコを食べている。
その消費量は一人当たり年間7.3キロにも
あたり(日本は2.3キロ)、一週間で2,3枚
のタブレットチョコーレートを食べている
ことになる。毎晩食後にはチーズの時間
と、カフェ&ショコラの時間があるのだ。

 

これはあくまでぼくの主観かもしれない
が、ヨーロッパでは日本よりも安く、
上質なチョコレートが買える気がする。
日本では500円するリンツのタブレット
も、フランスのスーパーでは100円台
から手に入る。こんな風に安くおいしい
チョコレートが手に入るのも、フランス人
がチョコを愛する理由のひとつかも
しれない。

やはり故郷というのはいいものだ。暖かい
思い出にあふれ、着飾らない本来の自分で
いれる。ぼくは人一倍過去にとらわれて
生活をしている。思い出はすべてとても
大切で、慈しむものだと考えている。

 

前にすすむことが美化されているここ日本
だが、立ちどまって自分のオリジン
(起源)と向き合う時間がとても大切だ。
むずかしいことではない。ただ故郷の文化
や食生活、人びとと触れ合うだけでも、
自分の起源を見つめることができる。
自分がどんな場所で、どんな文化に
かこまれ、何を食べ、どんな人びとと
触れ合っていたか。それがわかれば、
あなたのアイデンティティはより明確な
ものになる。

そうやって過去を振り返るのは、ぼくに
とってなにより大切な時間だ。幸せな
過去だけじゃなく、つらい胸の痛みも
思い出すかもしれない。けれど、そう
いったものすべてを見つめることが、
よりたしかな一歩を前に進めるには
必要なのだとおもう。自分のアイデン
ティティがわかれば、自分の生き方や、
これからの歩み方にも、説得力が
生まれるのではないか。

 

これから訪れる寒い冬。体調も崩れ
やすく、乾燥によって肌も弱りやすく
なる。そんな季節だからこそ、体には
できるだけ優しく接したい。その人の
身につけるものが、体に入れるもの
が、体に触れるもが、すべて好きで
あること。こだわって選んだ、お気に
入りに囲まれて、生活すること。心を
温める、魔法のスパイス。
そんなことを思いながら、暖かい毛布
にくるまって、大好きなアロマキャン
ドルの炎の“揺らぎ”を見つめるている
ぼくは、幸福な気もちで眠りの世界に
いざなわれていく。夢と現実に身を
任せ、ぼくは joscille している。

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