vol.11 
うとうと
春の朝寝坊
kahimi karie

2023.01.27
 
皆さんお元気にしていらっしゃいますか?
長い冬もやっと一段落して少しずつ春の萌しを
感じられるようになってきましたね! 肌寒い
日はまだ続いているものの、このところ朝の日
差しや鳥のさえずりが心地良いからか、グッス
リと眠れて夜が明けてもついウトウトとしてし
まいます。
今年は春の訪れが特別貴重に感じて、道端で小
さな芽や蕾を見つける度に何だかホッとした気
持ちになっています。
今冬、アメリカでは一世代に一度と言わるほど
の大寒波が到来し、シカゴなどミッドウエスト
が一時期北極よりも寒くなったと聞いて驚いた
のですが、かと思うとその直後に気温が急に上
がって一部で洪水が起こるなど、温暖化の影響
を感じるニュースが例年にも増して多かったよ
うに思います。




先日、娘は楽しみにしていた課外授業で森に行
き、動植物観察とメ-プルシロップ作りの体験
をしてきたのですが、「今年は動物達の冬眠期
間や渡り鳥の移動時期も例年より1ヶ月も早か
ったり、メ-プルの樹液も寒暖差の影響で量が
減ってしまったんだって」と、複雑な顔をして
帰ってきました。我が家の庭の植物達も、種を
つけるタイミングを失って枯れてしまったり、
今まで冬越できたものも半分以上ダメになって
しまったりしてとても残念だったので、今年の
春の訪れが例年になく心配になっていたので
す。
晩秋まで毎日のように庭に遊びに来ていた野良
猫達やリス達も、寒くなってからほとんど姿を
見せなかったので、無事に寒さを乗り越えられ
ているかなと思ったり、空を飛ぶあの集団のカ
ラス達も夜は寝ぐらで皆一緒に暖をとっている
のかな、など、地面を見ても空を見上げても気
になる事が多くて、何となくずっと落ち着かず
にいました。


1960年代に環境問題を訴えた生物学者、レイ
チェル・カ-ソンの著書『沈黙の春』を娘と共
に読み返してみたり、近くの林に出かけては植
物や虫を観察しながら思いを巡らせてみたり。
そんな感じで何となくそわそわと冬を過ごして
いましたが、先日とても久しぶりに野良猫達が
可愛らしい姿を見せてくれました。
少し痩せていたものの元気そうで、前に会った
時よりもひと回り大きくなったようで娘と大喜
びです!昨年は小振りの成猫だと思っていたの
ですが、どうやら若者だったようです。


リスの姿はまだあまり見かけませんが、ヒヤシ
ンスの芽の辺りに掘り起された小さな穴を何個
も発見したので、どうやら健在な様子です。昨
年地中に隠した木の実を、こそこそ探しに来た
に違いありません。自分で埋めた場所を忘れて
しまうなんて、リスは本当にウッカリ者です。
納屋の床下に巣を作って冬眠していたウッドチ
ャックも、少し前に一度だけ顔を覗かせている
のを見かけました。ウッドチャックは結構人懐
っこくて、庭で目が合っても悪びれなく堂々と
家庭菜園のニンジンをモグモグと食べ続けるの
でつい笑ってしまいます。きっとこの夏も私達
を楽しませてくれる事でしょう。
そしてほとんど枯れてしまって諦めていたフォ
ックス・グローブの苗も、いくつか復活して可
愛い黄緑色の葉っぱを覗かせ始めました。フォ
ックス・グローブは種まきから2年目にしてや
っと花を咲かせる二年草で、昨年の引越時に丁
寧に掘り起こして移植までしたというのに、気
温がガクンと下がった時に油断してカバーをし
なかったせいで枯れてしまい、とてもガッカリ
していたのです。
厳しい今冬を乗り越えた動植物達に、大きなハ
グとエ-ルを送りたいです!
日本はそろそろ桜の季節ですね。以前、仕事帰
りに毎日のように歩いていた中目黒の川沿いや
細い裏道、自動販売機の明かりなどをふと思い
出しては、恋しくなっている今日この頃です。
皆さん、どうぞ素敵な春をお過ごし下さいね!



 

 
カヒミ カリィ

ミュージシャン、文筆家、
フォトグラファー 。91年デビュー以降、
国内外問わず数々の作品を発表。
音楽活動の他、映画作品へのコメント執筆、
字幕監修、翻訳など幅広く活躍。これまで
カルチャー誌や文芸誌などで写真
執筆の連載多数。2012年よりアメリカ在住。

http://www.kahimi-karie.com
Instagram : @kahimikarie_official



← 前の投稿 新しい投稿 →